何も言えないでいる誠治をよそに、

春子は自分のコップとお茶菓子をお盆に乗せると、

応接室を出ていった。


・・・その場に取り残された気分の誠治は、

自分の今までの事を、思い出していた。


…自分は間違っていたのか?


会社の為と思ってきた自分は、間違いを犯していたのか?


…春子や陽介に、自分は酷い仕打ちをしていたのかと・・・。