・・・しばらく婚姻届を見つめる。

付き合っていけるかもしれない。そうは思った。

でも、結婚となると話は別で。

共に住み、寝食を共にする。そして、数か月後に産まれてくる子供を、

2人で育てるのだ。


私は、陽介とやっていけるだろうか?

「この紙は、ただの契約書だと思えばいい。

愛が、オレと一緒に過ごしていけないと思えば、契約を破棄すればいい。

まぁ、そうならないように、オレは努力は惜しまない」


そう言って微笑んだ陽介。

…もうしばらく考えた私は、一つの結果を出す。


「陽介」

「・・・ん?」


・・・怖がらずに、前に進んでみよう。


「私と結婚してください」

私の答えに、陽介は優しく微笑んだ。


「もちろんだよ。一からゆっくり進んでいこう・・・

そうだ、その箱貸して」

「・・・これ?」

頷いた陽介に箱を渡す。

箱の中から取り出したのは、婚約指輪で。


「ずっと、はめてて・・・

2人の休みがあった時に、結婚指輪を見に行こう。

それは一生モノだから、愛にも選んでもらいたい」

「・・・うん」