「昨日はごめん。」







私は
大きなテレビから視線をそらせない。







「君を…。
ゆめを傷つけると思ってあんなことを言ってしまった。
あの言葉は本当。
忘れて欲しくなんてない。」






テレビを見ている周りの人から
ざわめきが起こる。







「あの報道を見て
ゆめが傷つくのが嫌だった。
今日…。
俺が昨日連れて行ったあの場所で待ってる。
ずっと…ね。」








白井さんは
そう言うと女性レポーターさんにマイクを返す。







「ゆめさんという人は
どんな人なんですか?!」






テレビから
聞こえる声。
私は信号が青に変わっているのにも気づかずただ立ち尽くしていた。







「あの場所に行かなくちゃ。」