一年二組



あたしは今日からこのクラスで一年を過ごさなければならないのか。



「ぎゃはは」



「え?マジで!それマジで!?」



そんな、この高校がこんなに不良がいるなんてリサーチ不足だった…。
あたし、馴染めるのかな。



と、とりあえず隣の子に話し掛けよう!



「あ、あの原田姫奈乃さん?」


あたしが勇気を振り絞って話しかけた人物はニコッと微笑みながら



「そうだよ!高野美玲ちゃんかなぁ?」


と言ってくれた。



「えっと…、美玲でいいよ」


「本当ー?じゃあ、うちは皆にひなって呼ばれてるからひなで!」


ひな、か…。
かわいい名前。


「ひ、ひなさん…」
 あたしが遠慮がちに話しかける。
すると、彼女はぷっと吹き出した。


「あははっ!さんづけ!!やだなぁもー!ひなでいいのに」

「あ、なんか馴れ馴れしいかなって…」
また、ひなが笑い出す。

「そんなの気にしないでいいんだよー!ね?美玲」

呼び捨て…
ひなにとっては小さなことかもしれない。
でもあたしにとってとても大きな進歩だった。