さようなら



「ごめん」

謝って、くれた。



「だから…」
「ーーーでもっ!!」

謝ってくれた真也の心の広さに気付かないあたしは、「あたし達は、別れよう」そう続けるつもりだった。


でも、真也の強い口調に遮られてしまう。


「でもっ!!俺は丹夏と別れたくない!中学から高校に上がると、カップルは大体壊れてしまうと言うけど。
俺達は例外になりたいっ!」


少々の女々しさが無いような気がしないでもないけど。


兎にも角にも、そう言ってもらえたことがすごく嬉しかった。



胸が痛くて苦しくて、泣いていたはずなのに、いつの間にか嬉し涙になっていた。