紗奈…と名前を呼ばれた女の子は仁に駆け寄る。 「久しぶりー!元気だった?」 親しげに仁に話しかける。 それほど距離は離れていないから嫌でも会話が聞こえてくる。 「うん、紗奈は?」 「元気!」 「そっか、なんでここいんの?」 「私こっちに引っ越してきたの!」 「へぇ、またこっちに住むのか」 「うん!仁ってどこ高?」 「南高だけど」 「あ、私もだよ!また同じ学校通えるんだね」 「だな」 なんだか、すごく嫌な予感。