「帰るぞ、結依」





「うん、帰ろう」






いつもの会話をして、私達は歩き出す。







「今日数学の時間寝てたら先生がチョークとばしてきてさ」




「えっ、大丈夫?!」




「なーんてね!そういう夢を見てただけ~」





ニヤリと笑う。






大成功と言わんばかりの。







「もーっ!そんなこと言ってるといつか正夢になるよっ?」




「いやー、いくらなんでもチョークは投げてこないんじゃね?他の人に当たったら迷惑だし」




「コントロールよかったら仁にだけ当たるかもよ?」




「おい、そんなこと言っていいの?」





わっ!





「結依は俺の彼女なんだから、そういうこと言わないの」





それと彼女であることの関係は別として…







やっぱり、俺の彼女、って言われるのは嬉しい。







立ち止まって軽くキスをされる。











キスされて恥ずかしいのと、みんなに見られて恥ずかしいのとで、




私の顔は熱い。







フッと笑って仁は歩き出した。