特別インタビュー第2弾 汐見夏衛さんに聞いてみよう!

みんなどうやって小説を書いてるんだろう?野いちごの書籍化作家に突撃インタビュー!

人気作家さんたちがユーザーの質問に答えてくれました♪

1.小説を書こうと思ったきっかけはなんですか

学生の頃から本を読むのが大好きで、物語を空想するのも好きだったので、いつか自分でも書いてみたいなという気持ちはあったのですが、なかなか実際に書くきっかけがなく(紙とペンで書こうと思うと、書き直しもできないし、私にはハードルが高かったのです)、結局は一文字も書いたことのないまま大人になりました。就職してしばらくして仕事にも慣れて少し余裕が出てきた頃に、何か無性に新しいことを始めたくなり、ネット上で小説を書いたり読んだりできることを知って、紙とペンだと取っつきにくかったけどネット小説なら私にも書けるかも、よし書いてみよう!と思い立ちました。いざ執筆してみると本当に楽しくて、瞬く間に沼にはまるように夢中になりました。

2.野いちごで書き始めた経緯を教えてください

※2、3まとめて回答しました↓

私はケータイ小説が流行した世代とは少しずれているので、あまりケータイ小説のサイトなどには詳しくなかったのですが、あるとき小学生の頃からの親友が作家デビューしたという知らせを受け、彼女が活動していた野いちごのサイトを見てみて、すごく分かりやすくて使いやすそうだったので、ここで書いてみようと思いました。PV数や感想、レビューなど、読者様からの反応をリアルタイムで感じることができるので、執筆をつづけるモチベーションを保ちやすいという点でも、自分には向いていたのかなと思います。

3.どんなときに話を思いつきますか

本や漫画を読んでいるとき、映画やドラマを観ているとき、テレビ番組やネット記事を見ているときに、何か物語のヒントになるようなもの(登場人物のセリフ、生き方、考え方など)を得て、そこからストーリーを膨らませていくことが多いです。たとえばドキュメンタリー番組を見ていて、家庭環境に悩む若者が出てきたとして、同じような悩みを抱える方に自分なりにメッセージを伝えるとしたらどんな内容だろう、と考えて物語を作っていく、というような感じです。

4.初めて書いた作品(または初書籍)に関する思い出・思い入れなどを教えてください

初めて書いた作品は、野いちごに投稿していたファンタジー小説ですが、実は完結させることができなくて今は非公開になっています。プロットもメモもなく勢いだけで書いていたので、風呂敷を広げすぎて自分では畳めなくなってしまいました…。でもやはり初めて自分の中の物語を言語化したという点で思い入れは強いですし、忘れられない特別な作品です。世界観やストーリーは自分としては気に入っているので、いつかちゃんとした形で書けたらいいなと思っています。

5.書いていて特に大変なこと・つらいことはなんですか

いつもお話を思い付いてプロットを作っているときは、すごく面白いものが書けそうな気がするのですが、実際に書き始めてみると、自分の文章力、語彙力、表現力、構成力、何もかもが足りなくて、まったく思ったような作品が書けず、『こんな話、全然面白くない! なんで? もっといい作品になると思ったのに!』という気持ちが湧き上がってきて、書き進めること自体がつらくなる段階が、必ずやってきます。毎回です。それでもなんとかあれこれ工夫して、何度も読み直して書き直して、少しでもましな形に整え、なんとか完成させています。自信は最後までまったくありませんが、それでも読者様から感想をいただけたりすることでやっと安心できる…という繰り返しです。書くのって本当に楽しいけど本当に苦しいですね。

6.小説を作るとき、気を付けていることなどはありますか

キャラクターにリアリティがあること、読んだ方が共感できる人物であることを心がけています。また、登場人物と同じ悩みや苦しみを抱えている方が読んでくださったとに、「私はこんなふうには思えない」「こんな簡単にはいかない」と感じて投げ出してしまうようなリアリティのない話にはならないように、ということも気を付けています。ただ、あまりにも現実的になりすぎて救いがないラストになってしまったら、感情移入して読んでくださった方にとってはつらいかなと思うので、希望の光が感じられる終わり方にはしたいなと考えていて、そのあたりの理想と現実のバランスも気を付けています。

7.学生のうちにしておけばよかった!ということはありますか

小説を書いておけばよかった!と思っています。学生の頃は読んでばかりだったので、当時自分が考えていたこと感じたことは半分も覚えていないと思います。もったいないことをしました…。小説が無理でも、せめて日記という形でもいいから、あのころの気持ちを言葉にして残しておけばよかった、そうしたらもっとリアルな物語が書けただろうに、と悔やんでいます。

野いちごユーザーの皆様、なかなか思ったように小説を書くのは難しくて完結させられないとか、上手く書けないから中途半端になってしまっているとかあると思いますが、未完結でも中途半端でもまったく構わないので、メモや下書きの形でも、殴り書きでも走り書きでもいいので、学校や友人関係の悩みや感じたことを、どこかに記録しておくことをおすすめします。きっと数年後、ものすごい財産になりますよ。

8.息抜きの方法を教えてください

とにかくたっぷり寝ることです。色々と行き詰まっているとき、なんだか上手くいかないときは、すっぱり諦めて寝ます。10時間くらい平気で寝ます。寝たらたいていのことは忘れてリフレッシュできるので。

あとは、とても単純な人間なので、コーヒーと甘いものがあればすぐ元気になります。

9.最近読んだ作品を教えてください(野いちご以外も可)

凪良ゆうさん『神様のビオトープ』です。あらすじに一目惚れして読みました。次は同じく凪良さんの『滅びの前のシャングリラ』を読もうと思っています。こちらもあらすじだけで心を奪われました。

10.登場人物の名前はどのように決めていますか

その作品の世界観やキャラクターの性格イメージをもとに決めることが多いです。『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の百合は純粋で高潔なイメージ、彰はまっすぐで強いイメージ、『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』は色鮮やかな世界にしたかったので青磁と茜という色の名前、『海に願いを 風に祈りを そして君に誓いを』と『明日の世界が君に優しくありますように』は海が舞台なので海にまつわる名前、という感じで決めました。

11.どういった発想で作品を書いているのですか

いつも「今回はこういう悩みや葛藤を抱えている人に向けて書こう」と特定の読者さん像を決めて書いています。その人にどんな言葉を伝えたいか、どんな言葉をかけたらその人の苦しみやつらさ、悲しみを少しでも軽くすることができるか、と考えて、それを物語の中心的なメッセージに据えて、そのメッセージをしっかり伝えるためにはどんなキャラクターやストーリーが必要か、ということから話を膨らませていきます。

12.ユーザー、読者へ一言

初めましての皆様、インタビューを読んでくださってありがとうございます。拙作を読んでくださったことのある皆様、本当にありがとうございます。

最近は野いちごのサイトのほうでは新作の投稿をできておらず、そのような私がこのインタビューにお答えしてもいいものか…と不安に思いましたが、もしも私の経験が少しでも野いちごユーザーの皆様のお役に立てるなら、と思い、自分なりの考えや心がけていることについてお話しさせていただきました。何かひとつでも、皆様の執筆活動にとって助けになるようなことが話せていましたら幸いです。

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