『青春ゲシュタルト崩壊』佐藤新さん×渡邉美穂さんインタビュー!
映画『青春ゲシュタルト崩壊』のメインキャストである佐藤新さんと渡邉美穂さんに特別インタビュー!
撮影当時のエピソードや印象に残っているシーンなど、もりだくさんで伺ってきました。
原作サイトユーザーにむけた限定コメントもお見逃しなく!
お互いのイメージや印象を教えてください
佐藤:面白い方だなと。バラエティに出ているのを観たのが初見でしたが、実際お会いしても面白い方でした。
とにかく現場が笑顔です。場を明るくする天才ですね。
現場の雰囲気をより良くしようとしてくださっているのもあるかもしれないですけど、すごく明るい方なんだなという印象でした。
渡邉:私は逆に第一印象が意外と寡黙な方なのかなというイメージでした。実際喋ってみたら明るい人だしコミュニケーション能力もすごく高くて、この方と一緒だったらいい現場になるなぁとすごい思ったので。
そこに関しては良い意味でギャップがありましたね。
佐藤:話しあいやすかったよね。
渡邉:なんでも困ったことがあったらその場で言い合える関係だったと思います。
それぞれ演じたキャラクターに対して共感する部分などありましたか
佐藤:聖の一人の友達に対して思いが強すぎるあまりにたくさんたくさん悩んで、自分の普段の生活に影響が出ちゃうくらいその人のことを考えちゃったりとかするところとかは僕もちょっとあったかもなぁと思って。そこは演じていて共感できる部分が多かったし、誰かを素直に褒める時とかもちょっと恥ずかしくなっちゃう自分もいたりとか。そういうところとか結構似てるところはあるのかな。
渡邉:私は朝葉が置かれている状況がすごく自分も経験したことあるようなことが多くて。朝葉はバスケ部員で次期部長候補という立場で結構先生からの期待を受けていたりという役柄だったんですけど、私も実際高校時代バスケ部で部長だったんですよ。しかも自分がなりたくて部長になったわけじゃなくて、朝葉と同じで任命されてしまったというか。
佐藤:朝葉じゃん!
渡邉:原作読んだ時めっちゃ気持ちがわかって!丸井とまと先生、びっくり。私のこと知っていたんですか!というくらい重なっちゃって。自分でいいの?という重圧を感じちゃっている時期もありましたし。
人から期待を受けることとか責任を追うっていう立場に対する重みのような、朝葉の抱えているものを自分も抱えた時期があったなぁと。
それがすごい痛いほどわかりましたし、だからこそ演じながらも朝葉が自分の生きやすいように、息のしやすい環境にいけるような子になってほしいなと切に願ってました。
演じるうえで苦しい思いだったりとか抱えているものっていうのは過去の自分と重ねながらお芝居をすることができたので、その点では自分もしんどい経験とか辛かった過去とかがあったりしても、それがある意味こうやって活かせてこの作品に感謝してます。
朝葉と聖のシーンを演じる上で心がけていたこと、意識していたことを教えてください。
渡邉:このお話ってちょっとした心の揺れ動きとか、そういうもので捉え方がだいぶ変わってくるので、演じる側としても目の動かし方とかちょっとした物の言い方で受け手にいろんなニュアンスを与えることができるなと思って、言葉一つ一つをすごく大切にしたいなというのは意識していました。
特に朝葉と聖の掛け合いが一番劇中では多かったので、この二人にしか出せない、二人にしかわからない独特の空気感というのは大切に大切に、繊細なものとして扱いたいなと。
佐藤さんを見ながらちゃんと何を今私に訴えているのか、何を発信しているのかというのをちゃんと受け取ったうえで、自分も朝葉としての言葉を返せるようにありたいなとすごく思っていました。そこはだいぶ意識したというか、でもそこは佐藤さんが素敵なお芝居をしてくれたので。そこに私も引き上げていただいたというのもあったので。相手をちゃんと見るというのは大事にしたいなと思いました。
佐藤:渡邉さんがおっしゃっていたこともそうですし。日常で喋っているところをたまたま切り抜いた、誰かの会話をちょっと盗み聞きしているような感覚になっちゃうくらいのナチュラルさは意識しながらお芝居できたらいいなと思っていました。
演じるうえでの距離感について、お二人で考えたことはありましたか
渡邉:これはプロデューサーさんや監督からもご指示があったんですけど、物理的な触れ合いって大切にしたいなと思っていて。二人とも人に対していい意味でちゃんと壁を作る人間だと思うので。出会い頭とか、まだそんなに仲が良くなってない浅い段階でお互いのことを気安く触らないと思ったんです。お芝居をする中で多分ここの二人はまだそんな簡単には触らないし、距離感も近くないよねみたいな感じで。
そこは後半にかけてちょっとずつ心を開いて、少し手と手が触れたりとか。そこは周りの方からのアドバイスもあったりして意識はしていました。
佐藤:スーパー以下同文になっちゃいます(笑)ごめんなさい!
渡邉:これが二人の意見です!
佐藤:マジで言語化能力がすごい。そういうこと!
印象に残っているシーンやセリフはありますか。
渡邉:映画の序盤から流れてくる「学校って水槽みたい」という言葉です。
朝葉はぽつりぽつりと思ったことを話しているんですけど、めっちゃわかるなと思って。みんなこの狭い世界で溺れないように、置いていかれないように必死に泳ぎ続けているって言っていて、あぁめちゃくちゃわかるなと思いました。
学生時代は特にコミュニティがすごく狭い世界なので、朝葉とか聖くらいだった時の自分はもう学校にしか居場所がないって思ってて。その中で自分がどういう立場でいなくちゃいけない、嫌われちゃいけない、みんなにこう思われなきゃって必死でもがいていて。でもそれは大人になってもコミュニティが複数できただけで、その都度その中で自分はこの立ち回りをしたほうがいいのかなって泳ぎ続けている。社会人になっても大人になっても変わらないなって。
あのセリフは10代のころの自分にもかけてあげたいというか共感できる言葉だし、大人になった今でもそうだよな、水槽だよなぁって。うまくぶつからないようにみんなが泳いで社会が成り立っているなっていう、ちょっと哲学的な感じになるんですけど。当たり前のことを言語化されて自分がこうやってセリフの中で言っている時に、受け手に受け取ってもらうために発信しているんですけど、自分としては自分の中に落とし込む言葉でもあったので。あのセリフは撮影からしばらく経った今でも言葉がこうやって自然と出てくるくらい気に入っていたフレーズなのかなと思います。
佐藤:やっぱり二人のシーンかなぁ。海ってこんなに綺麗だったんだねって言ってるところがすごい素敵だなと思って。ずっと当たり前に見ていた景色も聖と過ごしている時はまた違って見える海に見えるのがいいなって思えました。自分も一緒に演じていてはっとしたというか。すごく良いシーンだなと思って。
撮影現場の雰囲気や印象に残ることがあったら教えてください。
渡邉:基本的にずっとしゃべってたよね。
佐藤:ずっとしゃべってた。思い出せないくらい、たわいもない話とか。
渡邉:お互いを知っていくところから始めたので、何歳からこの仕事やっているのとか。私はもともとアイドルをやっていたので、お互いに所属しているグループの話とかライブのこととか。
佐藤:お互いがお互いをインタビューしていた感じですね。
映画の見どころを教えてください。
佐藤:絶対良いこと言うから俺が最初に(笑)
自分の本当の心の声を殺してしまって。周りに合わせて自分を見失っちゃったりとか、自分に自信がなくなっちゃったりとかそういう人ってたくさんいると思うんです。そういう人たちの一筋の光になれるような作品になればいいと思いますし。ちょっとした学園ものとしての爽やかさとか甘酸っぱさも少しありながら、景色もものすごく綺麗なので。本当にすべてにおいて楽しめる作品になっていると思うので。ぜひチェックしていただけたらと思います。
あと頼んだ!
渡邉:すごい良いこと言うじゃないですか!私も以下同文って言いたいくらい…(笑)
生きていく中で立ち止まったりする時もありますし、生きづらさを抱えている人ももしかしたらいるかもしれないっていう中で、この作品は自分がどうありたいかということを改めて考えさせてくれる作品で。
周りからどう見られているかとかすごく気にしてしまうこの時代に、自分が一番生きやすい環境を見つけることってどれほど大切なのかなって改めて教えてくれますし。一人じゃないんだっていうのをすごくこの作品を通して感じたので。辛い時とか、誰かに何か話したいなっていう時はこうやって思い切って口に出してみると意外と良い方向に進んだりするんだなって。必ず周りに手を差し伸べてくれる人っていうのがきっといるはずだから、全部自分で抱えないでたまには周りを頼ってみて身を委ねてみるっていうのもすごく人生において大事なんだなっていうのを感じさせてくれる作品です。行き詰った時とかにこの作品のことを思い出してもらえたら、心が軽くなるんじゃないかなと思います。
サイトを利用している現役の中高生のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
佐藤:こういう悩みを抱えている人はめちゃくちゃ多いと思うし、悩むことも多いと思うんですけど。逃げちゃうっていうのも選択肢の一つだと思うし、誰かに迷わず相談するっていうのも正解だし。自分を一番に愛していいんだよっていうのもこの作品から伝われば。この作品を観て価値観が少し変わったらいいなって思います。
渡邉:10代の頃は学校と家との行き来がほとんどだと思うので、そういう中で人間関係で悩んだりとか将来のこととか考えると考え過ぎて悩んじゃう時期だと思うんですよ。進路どうしたらいいのかなとか将来の夢どうしたらいいんだろうなとか。きっと人間関係に関わらず、一番自分と向き合っていろんなことを考えていかなきゃいけない時期っていうところだと思うので。
悩むこといっぱいあると思うんですけど、きっと自分に手を差し伸べてくれる人って必ず現れるし、生きていく場所はここだけじゃないから自分の選択次第でいろんな景色を見れるようになるっていうものだと思います。悩んでいたり立ち止まっている時は思い切って外に出てみる勇気っていうのを振り絞ってみると人生楽なほうに向かっていったり。自分が生きやすい方向へ向かっていくことってあると思うので。
その時その時で悩んだら自分でどうしたらいいのかっていうのを改めて考えるきっかけにこの作品がなったらいいなと思います。この作品を劇場で観る時とかも楽な気持ちで観ていただけたら。これからもうちょっと頑張ってみようかなっていう背中を押すきっかけになれたらと思います。