あたしは、また村をさまよった。

今度こそ、ホントウに行くアテもなかった。

お友達はいない。

お母さんともケンカした。


そして……。

カオルに捨てられた…………。


カオル、あたしはどうしたらいいの……?


ぼろぼろと大粒の涙がこぼれおち、

目の前は涙でほとんど見えなかった。


すれちがう村人たちが、私の姿を見て、ヒソヒソとささやいていた。

明日には、村中に伝わってしまうだろう。


でも、いいんだ。

カオルに捨てられたら、もう、こんな村なんて、何の未練もないんだ……。