side 結


朝の5時。快晴でございます。
緊張して全然眠れなかった………。

っていうのは嘘。
車で寝すぎたんだと思う。

5時間くらい寝たらパーーッと目が覚めちゃった。

つり目さんもりんちゃんさんもまだ寝てる。
メイクしようかな…。



あ…。
机の上に温泉のご案内ある。

朝風呂やってるんだ。………行きたいな。












「アーーーきーもちーい…」


1人で来ちゃった。
朝は全然人がいなくて貸切状態。
最高。


外にはおばさんが1人いるけどまぁいっか。
朝日を浴びながら入浴するのもあり。

朝の露天風呂もまた違った良さがあって気持ちいい。
今日もいい天気でよかった。
お山登るんだもんね。



「お姉さんは誰と来たの?」


同じ浴槽に浸かっていたおばさんが私に声をかけてきた。
知らない人と世間話なんてあんまりしたことないな。


「職場の先輩たちと6人で旅行なんです」


笑顔がかわいらしいおばさん。温かそうな人だと思う。


「へぇ〜、仲が良いのねぇ。私が若い頃はそういうのなかったから、良いわねぇ」


携帯コーナーだけだよ、こんなに仲良いの。


「私が元いた部署はすっごい仲悪くて。異動させてもらって今があるんです」


「そうなのね。じゃあ、うんと大切にしないとね」


「はい」


私もこんな優しそうに笑える人になりたい。


「ご家族と来てるんですか?」


「夫と2人で来てるの。ふふ、この歳で夫婦旅行なんて、笑っちゃうわよね」


いやいや、素敵です。
私の親はそんなの全然しないから。


「仲良いんですね、すごく素敵な夫婦だと思います」


「ありがとう」


私も、誰かと。



航と。

そんな素敵な夫婦に。




なれるかな…?