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渉くんと出会って一カ月が過ぎた頃。





「なずなちゃん!」


「あっ、渉くん」





たまたま廊下で居合わせ、渉くんが笑顔で駆け寄って来た。





渉くんとはこうして、話す機会が少しずつ増えていた。





「今日はもう帰るの?」


「うん。渉くんは、部活?」





丁度、蓮を教室まで迎えに行くところだった。





「いや、部活は休み!それより、なずなちゃんにお願いがあって…」


「お願い?」





そう聞き返し、首を傾げた。





「なずなちゃんに、女の子にあげるプレゼントを選んでほしいんだ」


「えっ私!?」





思わず大きな声が出てしまった。