「颯!あたしも月と会ってみたい!」


「は、はぁ?」


「颯、月と会ってるんでしょ?!」


「はぁ?」


「あたしも月と会いたい!」


「な、何言ってんだお前…」


「だってさっき、『月会ってる』って言ったじゃん!」


「……瑠李…お前どこまで天然なんだよ…」


「え?」








「付き合うってのはだな…」


あたしは今、颯と近所のスイーツのお店に来てる。


そう。この前ガト―ショコラを食べに来たお店。


「男と女が…」


それであたしは今、ここのお店の看板メニューのプリンケーキを食べてる。


さっきから颯が何か喋ってるけど何を喋ってるのか分かんない。


だってあたしは今、このプリンケーキに夢中だから…。


「…瑠李?」


「むふ…」


あ…いかんいかん。


つい、変な声が出てしまった。