1時間目に授業がないのか誰もいない。




“キーンコーンカーンコーン”




授業開始のチャイムが鳴った。




「あι…ま、いっか」



私は鞄を机に置いて、ピアノの前に立った。



こうやって、まともにピアノの前に立つなんて凄く久しぶり…




私は鍵盤蓋を開けた。



真っ白な鍵盤が並ぶ。



私は、1つ鍵盤を押した。




“ポーーン”



こんなに綺麗だっけって思うほど音が体中に響き渡る。



また、こんな風にピアノの鍵盤に触れる日がくるなんて想像もしていなかったなぁ。




「鈴宮には感謝しないとね」


私はフフッと笑った。