「こんなことを言うのは優香には悪いと思うけど、俺は今まで優香以外にもいろんな女と付き合ってきた。もちろん彼女たちは好きだったし愛してた。でもな、美雨は違うんだ……。何て言ったらいいのかわからないけど、こんな思い初めてなんだ……」
そう言ってしまった後に優香の方をチラッと見た。
優香は相変わらず俺に対して憐れむ目で見ていて、表情は何一つ変わってなかった。
「優香……ゴメン……」
「何、謝ってんよぉ!私は別に何とも思ってないよ?私と雅斗のことは過去の話しでしょ?私には今、裕介がいるもん。裕介は私のことを雅斗以上に愛してくれてるもんね」
優香は少し笑いながらそう言った。
「あぁ、そうだな……」
俺も力無く鼻で笑った。
その時、部屋の引き戸が開く音がした。
俺達は一斉に引き戸の方に目をやる。
開けられた引き戸のとこに美雨は無表情のまま立っていた。