「え―――」


「要がお客さまとして来てくれてるのに、あたしは要の前で営業ができてない気がするの。楽しいけど、なんかドキドキしちゃって・・・・・。うまく言えないけど、素になっちゃうっていうか・・・・・」


「ゆず・・・・・それって・・・・・」


要の胸が高鳴る。


もしかしたら、ゆずも自分と同じ気持ちでいてくれてるということだろうか。


ただの客としてではなく、1人の男として見てくれているのだろうか・・・・・。


要は、そっとゆずの手を握った。


ゆずが一瞬ピクリと震え―――


ゆっくりと要を見た・・・・・。