『何?早くしてよね』


「あのさ……優香に頼みがあるんだ……」


『頼み?何?』


「女性用の服と下着を適当に買って来て欲しいんだ。金はちゃんと払うから……」


『はぁ?』



さっきまで面倒臭さそな声をしていた優香が、いきなり大声を出した。


鼓膜が破れそうなくらいの大声に思わず携帯を耳から離した。


そりゃ、いきなり女物の服と下着を買えって言われたらビックリするよなぁ……。



『何で私が?……てか、雅斗、アンタ……』


「何だよ」


『まさか……女装の趣味があるとか?』



優香はそう言ってケラケラ笑い出した。



「はぁ?何言ってんだよ!なわけねぇだろ?」



ったく、何言い出すんだよ。



『じゃー何で?女性用の服と下着が必要なのよ』



何て言えばいいんだ?



『雅斗?』


「…………えっ?ん?」



『だから何で女性用の服と下着が必要なのか聞いてるの!』


「…………うん」


『“うん”じゃないわよ。質問に答えなさいよ』


「わかったよ……」



そうだよな。


何で女性用の服と下着がいるのか理由がいるよな……。


でも本当の理由を言って引かれたら……。