やっと解放された〜って感じ。

「おはよう、林檎」

「あ、おはよう」

この子は親友の水無月杏(みなづきあん)。

「隣のクラスに転校生入ってきたんだって?しかもあんたの知り合いらしいじゃん。朝、一緒にいるとこ見たんだけど」

……早速見られてたかぁ。

「あいつとは何も関係ないから。ただ知り合いなだけ」

「ふ──ん。まぁ、あんたには七瀬先輩しか見えてないことはよ〜く知ってるからそれ以上は突っ込まないであげるけど」

「あ、ありがと」

「でも気をつけなさいよ。あの手のタイプはあんたの心の隙間に入り込んでくる可能性大だから」

うわ〜っ。ここまで読んでくるとは、

「う、うん……」

さすが『超』がつくほどの勘の良さ。
直感は天下一品。杏に敵う者はいないかも──



キーンコーン、カーンコーン……



私自身、そんな直感を感じていた。