「なんでタケさんがあんたを選んだのか―――ずっとわかんなかった。あたしの方がきれいだと思うし、キャリアだってあるのに。なんであんたみたいな子がって―――でも、さっきのあんたを見てたら、何となくわかった気がする」


そう言って、サキはゆずを見た。


「あんた、強いんだね。おとなしくて、弱そうに見えるのに―――。だけど、どっかもろそうに見えて―――そういうアンバランスなとこに、男って弱いんだよね。タケさんのことは、諦めるよ。でも、ナンバーワンの座はそう簡単に渡すつもりないから、そのつもりでいてね」


「―――はい」


サキは、にっこりと微笑むと、ゆずたちに背を向けた。


見ると、店の前で今日のアフターの相手らしい男が車を停め、サキに手を振っていた。


そこへ悠然と歩いていくサキ。


その後ろ姿には、ナンバーワンの風格があった・・・・・。