「いってきまーす!」


瑠璃子は胸をはって玄関から出た。

髪型も、洋服も、靴も、靴下も……
うん。完璧!


あーあ………
遠いんですけど。
お母さん、おくってくれればいいのに。

これが毎日続くのかぁ…


その時………

「よお。瑠璃子。久しぶりだなッ。」


背後から声をかけられた。
もうだれよッ。
振り返るといるはずのない人がいた。

誠センパイ…

誠センパイは私の憧れのセンパイ。
ずっと会えないと思ってたのに…


「瑠璃子はまだバスケ続けてる?」


「わたしは、高校生になったらテニス入ろうと思ってるんですよ。」


「ちぇっ。俺の自慢の後輩なのになッ。」


ドクンッ。
何この感じ。
胸がキューンってする。


「じゃ、私はこれで。」


「瑠璃子ッ。また遊ぼうなッ。高校違ってもさ。」


私は首を縦にふった。