「やあ、久しぶり、来てくれたんだね。ありがとう。」

「君が寝てるからロビーで宿題をしていたよ。気分はどう。」

「体調はだいぶ良いよ。そうか、君が連れて来てくれたんだね。これは僕の妹だよ。戦後のどたばたの中で、知らない人に貰われていったんだけど、今日かえって来たよ。ありがとう。」

小さい女の子は何も言わず、黙って恥ずかしそうにこっちを見ている。

僕のレジスターには不思議な力があるようだ。

決めた、将来は金融機関を設立しよう。

そして色とりどりのシステム資源を集めて、地域の人と平和に暮らしていこう。

中四国で最大の企業にする。

明るい街を作る社長は僕だ。

そして彼は副社長で、彼の妹にも働いてもらおう。このレジスターさえあれば、きっと大丈夫だ。


病院の窓からはあかあかと電球の光が漏れています。


(終)