「すいませんでしたー!」

バーン!と勢いよく戸を開けて走り去る幸姫。


怒られる!そして恥ずかしい!


その場をとっとと走り去ろうとしたとき。


ザク。


何か音がしたような気がして、ふと足を止めた。
と、足元に鍬が刺さっている。

それを見た瞬間、幸姫は真っ青になった。
恐る恐る振り返ってみると、額を真っ赤にして、鼻に手を当て、にっこりと笑いながらも怒りオーラ全開の男性が立っていた。

「ちょっと待て」

ドスの聞いた声に、幸姫は硬直する。

「説明を、して、もらおうか?」

少しずつ近づいてくる男に、幸姫はどんどん顔色が悪くなっていく。


こ、怖いー!


思わず幸姫はガバッとその場にしゃがみこんで頭を下げた。

「ごめんなさいぃー!」

男のあまりの迫力に、思わず涙目になりながら土下座する。

「…納得のいく説明を、してもらおうか?」

額に青筋が見えるのではないかと思うくらい、にっこりと微笑みながら威圧してくる男に、幸姫はびくびくと怯えていた。