「甲子園ね、だったら爽もがんばれよ?」


「もちろんっすよ!!俺、裕さんに負けませんからっ」


ピッチャーなのにバッティングもいい裕さんは、新チームの四番候補。

そんな裕さんには、絶対負けたくない!!


「あっそ。んじゃ俺も、お前みたいなバカに負けねぇようにがんばるかな」


「え?バカは裕さんの方っすよね?」


俺は普通にサラっと答えてしまった。


だって俺、これでも学年一位だし?

逆に裕さんは、学年の最下位争いをしてるらしいし。




「……お前…俺が一番悩んでることを!!」


謝ろうとした俺より先に、裕さんの飛び蹴りが命中する。


「ぐあぁあ!!」


「二度と俺にバカなんて言うなよ!!」


ピッチャーには色んなタイプがいるけど、裕さんは特に訳が分からない人。