授業中。
淨弥君が教室に戻ってくることはなかった。
『どーせまたどっかで昼寝してんだろ』
あたしが淨弥君とお化け屋敷に入るって告げた時瞬間、みんな一気にテンションダウンしたが、
靖杜は口を尖らせながらも淨弥君の居場所を教えてくれた。
お昼寝かぁ。
自由人だなぁ……。
誰も座っていない、淨弥君の席を見つめた。
……特別。
こそばゆい。
変な感じがする。
ドキドキしちゃう。
淨弥君にとって、あたしは特別。
………まさか
淨弥君、あたしのこと……
いやいや。まさかそんな訳は……。
いやいや。でもまさかのまさか……「……さんっ!椎榎さんっ!」
「はいっ!」
いけない、いけない。
全然授業聞いてなかった。
「授業はちゃんと聞きなさいっ。あなた転入してきたばかりでしょう!?あなた$%+*¥?………」
あぁ………。
三角形の目がねをかけ、腰に手を当てる日本史ティーチャーの説教は永遠に続いた。