沖田は桜夜を見つめ黙っている。

あ…れ?もしかして変な事言っちゃった?嫌だって意味にとられたかな…。

「総司?嫌って事じゃないよ?」

真剣な顔のまま、沖田は桜夜を引き寄せる。

「大丈夫。分かってますよ」

桜夜はその腕に身を預け、目を閉じる。

心臓の音が少し早く打っている様に聞こえた。

暫くそうしていると少しだけ腕の力が緩まる。

桜夜は顔を上げた。

「私を愛してくれてありがとう。桜夜、私の傍に居るのが貴女でよかった」

沖田が桜夜に優しく口づけた。

その唇が離れると、桜夜が沖田の体に腕を回し囁く。

「離さないでね」

少し潤みだした目で沖田を見つめる。

「そんな目で見ないで下さい…枷が外れてしまう…」

沖田は呟く様に言うと再び唇を重ねる。

深く…深く…

思いもよらない沖田の口づけに、桜夜の体が堅くなる。

永く深い口づけ…。

いつしか桜夜の体の力も抜けていく。

「はぁっ…そう…じ?」

「嫌だと拒むなら今のうちです…でないともう…」

―止まらない―

沖田は桜夜の首筋に顔を埋めた。

嫌?拒む?

私はどうしたい?

恥ずかしいし…少し怖い。

けど…総司が欲しい…。

体中から溢れて止まらない。

想いが溢れる…

桜夜は沖田の体に回した手に力を込め

「愛してる」

そう言うと沖田の髪を撫でた。

沖田は再び桜夜に口づけるとスルリとその着物を解いていく。

そして露になった肌に唇を落とす。

微かに桜夜の体が震えだした。

「怖い?」

胸元にある沖田の顔。

その視線だけが桜夜に向かう。

熱を帯びた視線に桜夜は身動き一つ取れない。

「でも、もう止まらない」

桜夜に視線を向けたまま沖田は肌に舌を這わせる。

「あっ…ん……」

桜夜は自分から漏れた声に驚き唇を噛んだ。

「どうして?その声を聞かせて下さい」

クスリと笑い口づける。

優しく…深く…

その夜、永遠を感じながら二人は幾度となく体を重ねた。