「あ〜イライラする」


俺のバッティング練習が終わってベンチに戻ると、心配そうにキョンキョンが近付いてきた。


「どしたの?やっぱ痛い?」


そういえば痛みはないな、よかった♪


「いや〜そうじゃなくて、やっぱうまく打てない」


思い出すとまたイライラしてくる。


「はい?」


「ダメだな〜俺」


「え〜と?…普段はもっと打てるの?」


「当たり前じゃん!!なんだ今のバッティング」


「…………」


なぜか黙ってしまったキョンキョン。


くそー!!

キョンキョンにいいとこ見せて、誉めてもらう予定だったのに。

作戦失敗。




「たいていのものは手に入るのに、野球だけはダメだわ〜」


守備に回るため走る中、独り言。

天才発言?

いやいや、事実なだけっす。

野球には嫌われてるみたい。