俺の上で必死扱いて腰振ってるコイツはだァれ?

キョトン、とした瞳で見てるのに。コイツはそれすら気付かない。



(…あーァ、春チャンに逢いたいなァ。)



そう思ったら春チャンに逢いたくなっちゃって。俺の上で腰振ってた奴を、押し退けて服を着た。



「…酷いよッ、クロ君!」

「はーァ?…てゆか、アンタ誰?勝手に俺の名前呼ばないでくれるー?キモイんだけど。」



顔を真っ赤に染めて、そんな瞳で見られて泣かれても。…ウザイだけなんですけどー?



(…あァ、でも春チャンだったらきっと、カワイイ。)



そう思ったら、ちょっとだけテンションが上がって。携帯を取り出して右耳にあてる。その呼び出し音さえ愛しくて。



『…クロ?どしたー?』



春チャンの声を機械越しに聞きながら、急いで服を着て部屋を出る。俺の頭ン中は春チャンでイッパイになって、さっきまでエッチしてた相手の顔さえも覚えてない。

…あァ。今から君に、逢いに行くよ。