お前、何で来た……

つーかどうやってここまで来た。



「テメ……」


近寄るとひなたは首を傾げ可愛いポーズでごまかした。


「てへ。来ちゃっ、た」

「来ちゃっ、た。じゃねーだろ?いきなり家に来た女か!」

「あー。その例えイマイチだわ」


サラリと流されてカチンときた。

それにしてもひなたが学校に来るなんて微塵も思わなかった。

てか……ちょっと待った。


「鍵!あんた家の鍵しないで出てきたの!?」

「かけたよ?玄関の前にあったからかけて来た」

「えっ?」

「俺、賢いでしょ」



意外にまともでビックリした。
てか……


「あんたここまでどうやって来たの?バス乗って来たの?」

「歩いて来た。1時間くらいかかったかな?」


ありえない……。


呆然としているとひなたはニッと笑いあたしに抱き着いてきた。

「ミリちゃんお迎え来たからいい子いい子してー?」

「何でだよ!?てか校門だから!テメー抱き着くなよ!」


あたしは焦ってひなたを引き離した。

ここは学校前だ……

あたしらの真横を生徒がチラ見して通り過ぎて行った。