「ほらッ!!泣いてばっかじゃ分かんないって~」







手に持ったタオルで依子の頭を軽くたたく。さっきから泣きやまなくて、教室にいると視線も集まるし、やっとこの中庭まで引っ張ってきた。








「う~…ッ、グスッ!!」







あ~も……。








心の中はそんな気持ちでいっぱいだった。どうしようもない。これだから、恋は嫌なんだ……。幸せな分、悲しくなるときもある……。それなら、恋なんてしなきゃいいじゃない……。














どうするコトもできないまま、大きくため息をついて、依子が泣きやむのを隣でボーッと考えながら待っていた。













今度はもう翔のコトじゃなかった。