大幹部を後ろにあたしは直哉のほうに向き直った。



「ねぇ、直哉。あたしを敵に回す?」


「どうして?Angel」


「あなたがあたしとの約束を破ったからよ」


後ろから殴りかかってくる男のタイミングに合わせて、あたしは肘でみぞおちを殴る。




「ぐ……っ!!」


「あたしは、約束を破る人には容赦しない」




「………わかったよ、Angel」



これで、帰ってくれるとほっとして、目を閉じてため息を吐いた。



奴の手にナイフが握られていることなんて知らずに……。




「ぐぁ…っ!!」


「……っ!?」



パチッと目を開くと、



「愛村…!?」



膝から愛村が崩れ落ちた。