「まさか洋介。貴様、対人恐怖症なんて言うなよ?言うんじゃないぞ?」

「…頼む。言わせてくれ!!」




「このヘタレ野郎の前髪をバッサリやっちゃって下さいませそこの人ぉお――ッッ!!!!」


「せめて名札を見てやるんだ妹よ!!!!」


唖然としている店員さんの目の前に洋介を突き出す。

店員さんはしばし呆然と洋介を見つめたのち、




「……あら?


…洋介さんですか?」



ハッとしたように呟いた。


「お知り合いですか!?」

「え?あ、えぇまあ。私が担当させていただいてましたから…」

「だったら話は早い!!お願いします!!このクソ兄貴をどうにかしてやって下さい!!」

「はい?」

「いいんです!!そこは気にしたら負けゾーンです!!何も聞かずに洋介をカッコよくしてください!!」

「りょっ了解しました!!」


あたしの熱意に応えてか、店員さんは敬礼をしてから洋介を連れて行った。


「いや~」
「やめて~」
「助けて~」


洋介の情けない叫びは聞こえなかったことにして、あたしはソファに腰を下ろした。