「どうする?今すぐオレと結婚したくなったろ」
「……ッ、あたしを脅す気!?」
「どう受け取ってくれても構わないが、オレは本気だぞ?秘密をバラせば、会社に居辛くなるだろうなぁ」
ニヤニヤと悪戯っ子のように笑う社長。
「あたしはもう辞めるつもりだから関係ない」
会長にあんな口利いちゃったし、どちらにしてももうここにはいられない。
それ以前に、あたしを散々貶してくれたこの社長の秘書なんて務まらないと思う。
「そうか。でも再就職先はないよ?オレの力を持ってすれば、社外を牛耳ることくらい朝飯前だ」
「さ、最低!!」
「なんとでも」
その涼しげな顔が余計にあたしを苛つかせる。