「うぇ?どーしたんやー???」





酒の缶を持ったまま、智弥が身を乗り出して、走っていった恋嘩を目で追う。






『ちょっとー!恋嘩に飲ませたんっ?!』





美蘭が声をあげて走ってくる。





「いや。まだ一口も飲んでやーらへんでっ?」





隼莵が酒を飲みながら、不思議そうに首を傾げる。





『えぇ…?恋嘩ー???』





タッタッタッ…


トイレに行った恋嘩を追い、背中をさする美蘭。





『大丈夫?』

『うぅ…気持ち悪いっ…』

『気持ち悪いん?』





美蘭が恋嘩のおでこに手を当てる。





『ちょっと…熱っぽい?』

『ん…最近…なんかおかしーねんな。生理もなんか…』

『……』





美蘭はなにか感づいた顔をした。

顔を上げた恋嘩が、不思議そうに美蘭を見つめる。





『…どーしたん?』

『…恋嘩。』

『ん?』

『病院行くで!!』





美蘭が恋嘩の腕を引っ張る。





『えぇッ?!大丈夫やって!』

『いいからッッッ!』





ダダダダダッ――――


恋嘩の腕を掴んだまま、美蘭が走って部屋に戻ってきた。





「大丈夫かぁー???」


『あんた!タバコやめなさいッッ!!!』

「うぇッ…はぃッ…」





タバコを吸ったまま、恋嘩の方に歩いてきた愁洩に、美蘭が喝をいれる。



その迫力に、愁洩も思わず圧倒されてしまう。





『諒弥!!!ごめん!タクシー呼んで!』

「はぃ???」

『いいから!お願い!』