「羽花、俺が幸せにしてやるからな」


 耳にそう囁きこまれ、幸せが耳から急速に身体の中に流れ込んだ。



 ――幸せにしてやるからな。



 もしかしたら私と翔ちゃんの会話が聞こえていたのかもしれない。


 ぎゅうと抱きしめられ宥められるように背中をポンポンと軽く叩かれホッとしてしまったのか、さらに私はうわーんと幼い子が泣きじゃくるように、彼の胸で泣きはらした。