もしかすると京の現状を知るために闇烏となって、闇を彷徨っているのだろうかと思った。

「私、なんでも協力します。何かあれば言いつけてくださいませ」

「おお、それは頼もしい。じゃあお願いしようかな特別任務」

「はいはい、偵察なら御手の物ですよ。夜目は効きますし、耳もいいですし、なんでもござれです」
 拳を握ってみせたけれど、そういうのは間に合っているからと優絃は笑う。

「じゃあ、いずれ頼みに行くよ」
「はい。お待ちしております」

 一度歩み出した彼は、ふと立ち止まって小雀を振り返った。

「わかっているよね?」

 彼は言い聞かせるように、じっと小雀を見る。

「はい?」

「おとなしくね」

「ええ、もちろんですよ」