ケータイ小説 野いちご

たくさんの好きをキミに

咳払いをした後、悠里くんは「うーん」と腕を組み、しばらく考えこんだ。

すると何か閃いたのか「あっ!」と声を出し、私の名前を呼ぶ。


「ちょっとじっとしてて」

「えっ…」

肩に悠里くんの手が添えられる。
そしてゆっくりと端正な顔が近づいてくる。


え、これってまさか…




ちゅっ。


頬に温かくて柔らかい、ふにっとしたものが一瞬当たり、リップ音のような音が聞こえた。

反射的に彼の方を見ると照れ臭そうに顔を赤らめて微笑んでいる。


「バレンタインのお返し!」

一瞬だけ思考が停止したが、悠里くんが私の頬にキスをしたのだと理解し、もう何度目かわからないが、顔が沸騰するくらいの勢いで体温が上昇する。


「これからもよろしくね、茉莉ちゃん!」

「~っ!?もう、心臓が……」


急に下の名前呼ばれた。
しかも1つの街吹き飛ばせるくらいの笑顔の破壊力。


これ以上キュンキュンさせないでほしい…


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