ご飯の時に話すのは緊急な事だけだ。
もちろん食べ終わってからは、少し話すのだけれど......。
「ごちそうさまでした」
先に食べ終わったのは爽介さんだ。
コーヒーを優雅に飲みながら、私の方を見た。もちろん、気になってしまってチラチラ見ていた私と、視線が交わる。
「そういえばーー」
ん?なにを言われるのだう。
「今日、僕休みなんだよね」
え、おやすみ?じゃあ、私が行かなかったらもっとゆっくり寝れたんじゃ......。
悪いことをしてしまった。
「ご、ごめんなさい」
休みだと知っていたら、ゆっくり起きてくるのを待っていたのに。
ちゃんと聞いておけばよかった。
今更後悔してもおそいけれど、そう思わずにはいられない。
「あ、大丈夫だよ。わざとだから」
「え?わざとって?」
もしかして、私に休みだと教えなかったこと?
私の想像通りだったらしく、爽介さんは頷きながら教えてくれる。
「葵なら、起こしに来てくれるかなって思ってね」