「あ、やばっ、もう行くね。何かあったら連絡して?」
そんなやり取りをしていたせいで、ギリギリの時間になってしまったらしい。
バタバタと出ていく爽介さんを戸惑いながらも送り出した。
100万円を置いたまま......。
「どうすれば......」
私は、机の上に置きっぱなしにされた封筒を見て、ため息をついた。
「......仕事をしよう」
いつまでも放心状態でいる訳にもいかないから、とりあえず引き出しに封筒ごと閉まって、メインの仕事を始めることにする。
まずは掃除だ。
やる所がないくらい綺麗なのだけれど、ここに来て3日目ーー。
昨日と一昨日は全く仕事が出来なかったので、今日こそはきちんとやろうと思っていたのだ。
なのに、起きてすぐの衝撃でそれどころではなくなってしまった。