「まったく......」



はぁーっとため息をついた杏奈が、そんな事だろうと思ったと顔に出す。


杏奈は思ったことが顔に出やすいから、わかりやすい。

そこがいい所であり、可愛いのだけれど。



「実は、条件のいい仕事があるって聞いたんだけどーー」


「えっ!?」


「......私は勧めないけど、どうするかは葵が決めて」



なんと、求人を探してきてくれたらしい。私は素晴らしい親友を持ったと思う。


だけど、勧めないってどんな仕事なのだろう?



「これなんだけど」



そう言って差し出されたスマホの画面には、“急募!!採用1名”と書かれた文字が。


急募なのに、採用は1名なの?と疑問に思いながら、画面をスクロールしていく。


どれどれーー、仕事内容は?



「お金持ちばかりが住んでいる高級都市の中にあるマンションでの住み込み家政婦......?それってあの?」



私の問いかけに、杏奈は無言でコクリと頷く。