拓巳の触れた唇が熱くて…

拓巳が抱きしめてくれた体が火照って…

拓巳の私を呼ぶ優しい声が耳に痺れるように残って離れない…

『親友』という枠を越えて女の顔を見せてしまったことを途端に後悔した。

一度ついた道は歩きやすくなる。それがどんなに険しい道であっても。


その通りだった。


心が拓巳を求めて暴走を始めていた。


拓巳が欲しい。


拓巳の心が欲しい。


苦しいほどの想いが胸を押し潰してくる。

こんなつもりで抱かれた筈じゃなかったのに

拓巳を癒してあげたかっただけの筈なのに

いつの間にか自分が拓巳をこんなにも求めている。