海璃

私は病気が分かった日から毎日、日記を書き始めました。

今日は海璃と一緒に初めて病院に行った日。
海璃の緊張している表情と、悲しそうな表情。険しく悲しそうな表情・・・忘れられません。
私が先生から余命を宣告されたときの絶望を、海璃もとうとう知ってしまったのだという気持ちで、私は海璃に申し訳なく思っていました。

帰りに薬局で、ものすごく大きな薬の袋を渡されて、その内容の説明を受けている時の海璃も、なんだか泣きそう見えて私は説明なんて全く頭に入っては来なかった。

でもね、海璃。

毎日書いている日記を読み返すと、もちろん病気のことも自分の体の変化も書いてあるけど、一番は海璃のこと。
海璃とどんな話をしたか、海璃と何をしたか、海璃がどんな顔をしていたか。
海璃と何をしたいか、どんな話をしたいか、どこへ行きたいか・・・

海璃のことばっかり。

海璃がいてくれたから、私は病気のことばっかりで絶望せず、毎日の幸せを感じて、少し先の未来に希望を感じて、生きることに全力でいられているんだって思う。


海璃。
そばにいてくれてありがとう。