けれど何より驚いたのは…。


「ね、ねえ、あの建物はもしかして…」


私が指をさした方向にラナはにっこりと微笑んだ。


「もちろん、これから皇女様がお住いになられるオーフェリア城ですよ」


「わ、私があんな大きなお城に…?信じられない…!」


森に住んでいた頃とは全く異なる規模のこれからの住まいにめまいを覚えた。
そして私が立派な城構えにおどおどしているうちに、馬車はついに城門へついたようで動きが止まる。


「皇女様、お手をどうぞ」

「あ、ありがとうございます…」


何度やったであろうこのやり取りをすると、私は初めてオーフェリアの地へ足をつけた。
近くで見る皇宮は、それはそれは圧倒されるほど大きくて、思わず上を見上げて開いた口が塞がらなかった。