「…そんなことがあったなんて…」


私の生まれた背景にそんなことがあるなんて生まれて初めて聞いてとても驚いた。

それと、生きるか死ぬかの大変な出来事があったというのに赤ん坊だった私をここまで育ててくれたラナには本当に感謝しかないと思った。


「ありがとうラナ…。あなたがいなかったら今頃私は死んでいたかもしれないのね」

「とんでもございません!…私は楽しかったです、あの2人だけの生活が。もちろん大変じゃなかったと言えば嘘になりますけど、シャルロット様…皇女様の成長を見守り続けられたのは、私だけの特権ですね」


そう言ってふふっと微笑むラナ。

私は泣きそうだったけれど、その笑顔につられて笑うことが出来たのだった。