『いいか、それが条件だ』




いつかの叔父さんの声。


会話をしているのは、若い頃のおばさん。



『壱華を大切にしてくれ』



なんで叔父さんはあの時、おばさんを説得していたんだろう。


なんで帝王は、誰にも必要とされないわたしを拾ったんだろう。


同じぬくもりを感じながら、芽生えた欲。


知りたいという欲求が、人間の根底の欲であるある『知識欲』を目覚めさせ、同時にそれは引き金となる。






チクタク、灰被り姫にかけられた、魔法のリミットを告げる時計の針が───今、動き始めた。