いつの時代も、恋愛は代わり映えしない。みんな同じことで悩んで、悲しんだり、笑ったりして、解り合うのは簡単じゃないと知っていく。それでも、愛しい人とリンクして重なった時に幸せになってーーー。

「I love you」

誰もいないオフィスで、弥生とウィリアムは何度もそう言い合う。長く続いた片想いの分だと言わんばかりに、互いに恥ずかしくなって、顔を赤く染めて、何も言えなくなるまで言い続ける。

「弥生。今は時代柄暗い話題ばっかりだけど、こんな愛とか希望の類いを信じたいんだ」

ウィリアムがそう言い、また弥生を抱きしめる。弥生はその大きな背中に手を回した。

「うん。イメージ通りに運ばないことの方が多いと思うけど、私も信じるよ」

恋や愛の始まりは、I love you。その始まりは誰もが幸せだ。もっと照らしてほしい。もっと満たしてほしい。

弥生とウィリアムの唇が、熱く重なった。