「……ねぇ、花帆」

「なぁに、凛ちゃん」


パラソルの下で、凛ちゃんと2人でお留守番してるときだった。



少し先に見える浅瀬では、飛鳥くんと掘田くんと菊川くん、そして一華ちゃんが水のかけあいをしている。


……といっても、飛鳥くんはただ掘田くんのはしゃぎっぷりに呆れてるだけな気がするけれど。




そんなはしゃいでいる掘田くんを真っ直ぐに見た凛ちゃんは、小さな声で呟いた。




「……あたしさ。海くんのこと、好き……かもしれない」



一瞬。本当に一瞬だけ驚いてしまったけれど、なんだか納得する自分もいた。


今日ずっと不機嫌だった凛ちゃん。


それにね、私ちゃんと気付いてるんだよ。掘田くんだけじゃなくて、凛ちゃんも下の名前で呼んでるんだね。




「さっき、なんかあったの?」


いまこのタイミングで凛ちゃんが私に告白してくれたのは、きっと、それを自覚したきっかけがあったってことだろう。