私、松橋 芙佳(ふうか)
長い黒髪にメガネをかけ、スカートは膝下。

シャツのボタンはもちろん上までとめている。
誰がどう見ても地味な女だ。


けれど両親共に容姿が良いせいか、その子供として生まれ育った私も見た目はいいらしく。

告白されることは多々あった。


高校二年になり、だいぶ減ったとはいえゼロになったわけではない。

それに今はあることが私を悩ませていた。


「松橋さん、今からお昼?」

近くのトイレで手を洗い、教室に戻ろうとしたらとある男子に道を塞がれてしまった。