「これでいい?」

家に入ろうとする平良が最後の確認をしてきた。

「待って。ちょっと待って。」

私は平良を呼び止める。

「『ハズレはない』って、付き合うのってさ、こう、恋、とかじゃないの?」

自分の口からそんな言葉が出てしまって後悔する。
私は一体何聞いてんだ、ばか。

「恋?」

平良も呆れたような顔をする。
ああ、ほらね。

「だったら沙和は俺に『恋』してんのかよ。」
「え?」

私は逆に質問されて頭が真っ白になる。
そんな、どうしよう・・・。

「ほらな、そうなるだろ。」
「え、ちょっ・・・」

平良は「じゃ。」と言って家に入っていった。

ああ、私、なんてことを・・・。
私は後悔にまみれながら、トボトボと店に戻った。

明日どんな顔して会ったらいいんだ。