その日、柚葉は両親に自分が高校を卒業したら一人暮らしをして県外の大学へ進学したいと伝えた。

柚葉の両親は耳が聞こえないハンディを、乗り越えてほしいと思っていたためふたつ返事で認めてくれた。

「今までお母さんや永遠君がしてくれていたことを自分でやらないとならないのよ?」
母は夜、柚葉の部屋に来た。
「うん」
「今から少しずつ練習しないと、また事故にあったら大変よ?」
「うん。わかってる」
「永遠君には?」
「まだ言ってない。」
「早く言いなさいよ?自分で言わなきゃ」
「うん・・・」