「え、もしかしてここって……」
「うん、僕の家。で、この人が僕の母さん。この店の店長だよ」
まさかと思って聞いてみると、やっぱりここは菊川くんのお家らしい。
それにしても菊川くんのお母さん……美人だ。しかも若い。お姉さんだって言われた方が納得できるよ。
「掘田くん、なにが『まぁね』よ。思いっきり友達の家じゃない」
「まぁまぁ、華原さん。細かいことは気にしないで。ね?」
さっきの掘田くんの発言に突っ込みを入れる凛ちゃんだったけれど、当の本人はヘラリと笑って軽く受け流していた。
「飛鳥くんも来たことあるの?」
「まぁ、何回か」
「えぇ〜。教えてくれたってよかったのに」
ずっと私の隣にいてくれている飛鳥くんも、どうやらここは初めてではないらしい。